居抜き物件で最も注意しなければならない点のひとつが、前オーナーの経歴チェックです。手放す事態に至った理由を知ることで、その物件が経営に適しているのかどうかをある程度判断することが出来ます。

理想的な物件は、前オーナーが経営不振で手放したわけではなく、何らかの特殊な事情で手放した直後の物件です。経営不振に陥る何らかの立地的要因があると考えて間違いありません。また、しばらくの間放置された物件は、何らかの問題を持っていることが多いため、余分な追加費用が必要になる事が多くなります。リース物件であるかどうかを確認することも非常に大切です。以前の契約者がリース契約を行っていたまま手放した場合、例えこちらが善意の第三者であったとしても、契約後にリース会社に設備などを持ち帰られてしまう場合があるため要注意です。万が一のことを考えて、不動産や内装譲渡契約時には、第三者の弁護士などに契約の不備などを確認して貰うと安心出来ます。

残されている内装や設備の価値は素人には判断が難しいため、一度は居抜き物件専門業者に鑑定して貰うと確実です。そうすることで、実際の価値以上の査定額を根拠とした不当な契約を結んでしまうリスクを回避出来ます。また契約締結時には、設備のリストを必ず貰うようにしましょう。そうしないと決算の際に資産を計上できないため、控除などの軽減措置を受けられないどころか、前のオーナーとの不要なトラブルの火種を抱えることになります。