新しく店を開くときには居抜きをすることがありますが、この方法は一長一短で必ずしも成功する(失敗)するとは限りません。そこがこれから商売を始める側としては面白いとも言えますが、まずは物件をよく観察し、そのメリット・デメリットを押さえておく必要があります。例えばメリットとして、前の持ち主が残していった設備を気に入ればそのまま使えるので一から考えて作らなくて良い気軽さがあります。

特に飲食店の場合、キッチンを取り付けるのはひと手間かかりますが、居抜きならばその手間が省ける可能性があります。そうなればリフォームの出費も減りますし、開店までの時間も短縮できますから、とても助かります。一方、デメリットとしては、前の設計やデザインが気に入らなかった場合や店のコンセプトと合わない場合にはまた最初から作っていかなければいけない面倒があります。

同じ飲食店でもテーブル中心かカウンター中心かで大きく内装は変わりますし、中華料理か日本料理かでキッチンのつくりも変わってきます。そもそも系統が全く違う店だった場合には必要な設備を揃えるだけでも時間のロスになり、さらにそれらがちゃんと構想通りに収まってくれるかが問題になります。いらない設備を撤去するのも面倒ですし、改装工事にはお金もかかりますから、まさに一長一短の方法なのです。