居抜き物件を選定する際に最も注意しなければならないポイントのひとつが、自分が開業予定の業種と同じ業種の物件であるかどうかの確認を十分に行うことです。同業種であれば、残っている設備をフルに活用することが出来るため、何もない通常の物件を賃貸するよりも多くのメリットを享受出来ます。できれば前オーナーが開業してから5年以内の物件を選ぶことが大切です。

業種によって多少の誤差はありますが、店舗内の設備の耐用年数は平均して5年程度です。その期間を過ぎると、急速に故障確率が高まるとされており、出来るだけ新しい設備を利用することで、余分なコストの発生を抑えられます。居抜き物件情報は、新聞折り込みチラシやネットなど様々な媒体から発信されていますが、それらの膨大な情報から有望な物件を絞り込む際は閉店時期を調べると効率的です。テナント契約を行っている貸借者は、オーナーに対して閉店6ヶ月前に店を閉じる旨を伝える義務があります。

この6ヶ月を過ぎるとスケルトン状態にまで店舗を解体することが通常なので、閉店間際になるほど物件としての価値は落ちていきます。スケルトン状にしてしまったら、設備を廃棄するしかなくなるため、捨てるくらいなら投げ売りでも処分した方が良いというわけです。ですから物件を選ぶ際は閉店ギリギリのものに絞ると、お買い得な物件を見つけやすくなります。